出演者の魅力と撮影の裏側に迫る立川晋輔監督オフィシャルインタビュー公開!

<和田正人さん (タモンズ・大波康平 役) について>

和田さんは、どちらかというと健康的なイメージで、お笑いもお好きで芸人さんへのリスペクトも凄かったので、僕から特に何も言う事なく、全てやってくれていました。演じられた大波さんの役も、はじめは少し力が入っていたようですが、途中からご自身も投影され演じられていた印象があり、完璧に仕上げてきていただきました。

和田さんは、どちらかというと健康的なイメージで、お笑いもお好きで芸人さんへのリスペクトも凄かったので、僕から特に何も言う事なく、全てやってくれていました。演じられた大波さんの役も、はじめは少し力が入っていたようですが、途中からご自身も投影され演じられていた印象があり、完璧に仕上げてきていただきました。

和田さん・大波さんともに、“ひたむきさ”を感じました。後に和田さんとご飯へ行って分かったことですが、和田さんは人に対して丁寧で、熱い方です。それは今作の役者に対してもそうでした。大波さんも、相方の安部さんに対して“愛情”という言葉が当てはまるのかは分かりませんが、コンビ間での物凄い“絆”を感じます。
正直、印象がはじめと一番変わったのは、和田さんかもしれません。はじめは俳優・芸能人という空気を纏った方だと思っていましたが、平気で泥水をすすりに行っていただけるような親しみやすい方で、やりやすかったです。

駒木根隆介さん (タモンズ・安部浩章 役) について>

駒木根さんは、本当に器用な方ですよね。1番凄みを感じたところは、ちょっと笑いがあるシーンからシリアスなところを成立させていくところです。無茶な設定が多かったところ、コントにもならず、絶妙な演技に説得力がありました。
「やっぱりこのセリフは入れない」「こういう感じのキャラになるよね」というセッションが出来たのも、やっていて楽しかったですし、信頼が出来ました。現場の空気や裏でも、状況を見て常に間に入ってバランスを保ってくれていた印象です。

駒木根さんは、本当に器用な方ですよね。1番凄みを感じたところは、ちょっと笑いがあるシーンからシリアスなところを成立させていくところです。無茶な設定が多かったところ、コントにもならず、絶妙な演技に説得力がありました。
「やっぱりこのセリフは入れない」「こういう感じのキャラになるよね」というセッションが出来たのも、やっていて楽しかったですし、信頼が出来ました。現場の空気や裏でも、状況を見て常に間に入ってバランスを保ってくれていた印象です。

似ているという点でいうと、“声”ももちろんありますが、とにかく“人に愛される”ところかな、と思います。安倍さんは天然で愛されるタイプかと思いますが、駒木根さんは、狙って愛される術を持っている。意識してちゃんと安倍さんの愛されキャラを作り上げている姿に、本当に器用さを感じました。

囲碁将棋の根建さんと楽屋で話した後の、叫ぶシーンですね。
あとは、駒木根さんの場合は関東出身の方なので、エセ関西弁を受け入れてもらえるのかは不安ではありました。駒木根さん自身も不安がっていたところではあって、関西の方からしたら違和感が出てしまうので、気になって物語に入っていけないのでは?と危惧しました。でも、安倍さん自体がおかしな関西弁を話されるんですよね(笑)キャラクターなのか。それもあって、周りも「ありなんちゃうか?」となり、安倍さんがそれを気にさせないくらいのキャラクターで、駒木根さんもそれを忠実に作っていってくれたので、安心して進められました。

和田さんがやろうとしていることに対して、駒木根さんがしっかりと受けて返している印象でした。決して駒木根さんが受け身という訳ではなく、意図して応えているところも見えて、本当に楽しそうでした。

岡田義徳さん (ベリーハック・諸積翔真 役) について>

芸人を辞めていく人たちの代表的な役を演じてもらったんですが、はじめの顔合わせに「実はこれは、諸積の話しでもあるので、最後は岡田さん(諸積)の顔で終わらせてほしいんです。どんな表情をするかは、お任せします。」と、想いの丈をお伝えさせていただきました。

芸人を辞めていく人たちの代表的な役を演じてもらったんですが、はじめの顔合わせに「実はこれは、諸積の話しでもあるので、最後は岡田さん(諸積)の顔で終わらせてほしいんです。どんな表情をするかは、お任せします。」と、想いの丈をお伝えさせていただきました。

現場では気づかなかったんですが、後に成立していることが多くあったことに気づきました。例えば、頭のほうに、穂積が大波や村上を見送るシーンがあるんですが、そこの顔のアップシーンで、とんでもない殺気を放たれたんですよね。御本人としては、あえてだったみたいですが、そのカットは「やりすぎです。もう少し抑え気味で」とリクエストして撮り直しをしました。でも結局使用したのは撮り直す前のカットでした。あれくらい殺気を放った表情じゃないと、後に繋がらないと感じたんですよね。振り返ってみると、そんなシーンが多かったなと感じます。

徳井義実さん (「大宮ラクーンよしもと劇場」支配人・名越総一郎 役)について>

徳井さんは、大好きですね(笑)役者として、あれだけ色気があって、上手で、飄々とした感じでやっているのに確実に印象を残されているのは、すごいなと感じました。震えましたね。

徳井さんは、大好きですね(笑)役者として、あれだけ色気があって、上手で、飄々とした感じでやっているのに確実に印象を残されているのは、すごいなと感じました。震えましたね。

徳井さんとご一緒するのは今回で2回目になりますが、今作ではほとんど話さなかったです。演出も少しリクエストを出すことはありましたが、「はーい」と一言返事で、確実にインパクトを残してくれました。例えば劇場で大波の肩を叩くシーンがありますが、あの飄々とした感じで、確実に仕上げてくれるんです。芸人さんなので、足りないところはアドリブで埋めて下さったりもして…。芸人としても、役者としても、凄さも感じました。ただ、個人的にはもっとコミュニケーションをとりたかったですね(笑)

辻凪子さん (「大宮ラクーンよしもと劇場」社員・山岸あかり役)について>

一言で言うと、辻さんは、こんなもんじゃないです。コメディエンヌと自覚されているようですが、シリアスな役をやってもらえばやってもらうほど、力を発揮するタイプじゃないかな、と思っています。はじめは色々と話し合いもさせてもらった記憶があって、それは前作(『風の中のピアノ』/22年)で彼女に大きく救われた部分も大きくあったからです。存在感もあるので、今作でも彼女の魅力を引き出す為に、たびたび打ち合わせさせてもらいました。思い返すと、楽屋でのあの雰囲気を出せるのは、辻さんだったからだな、と信頼を置いています。

一言で言うと、辻さんは、こんなもんじゃないです。コメディエンヌと自覚されているようですが、シリアスな役をやってもらえばやってもらうほど、力を発揮するタイプじゃないかな、と思っています。はじめは色々と話し合いもさせてもらった記憶があって、それは前作(『風の中のピアノ』/22年)で彼女に大きく救われた部分も大きくあったからです。存在感もあるので、今作でも彼女の魅力を引き出す為に、たびたび打ち合わせさせてもらいました。思い返すと、楽屋でのあの雰囲気を出せるのは、辻さんだったからだな、と信頼を置いています。

永瀬未留さん (タモンズファン・月瀬琉瑠 役)について>

永瀬さんは、オーディションで選ばせてもらいました。候補がたくさんいる中、劇中で披露している歌を歌い終わった後の、なんとも言えない表情が印象的で。難しいシーンもたくさんあったので、苦労はしただろうなと思っています。僕から具体的な指導はしなかったですが、助監督の女の子と話し合いながら作り上げていってくれて、大事なシーンをお任せしていたこともあり、今作で彼女自身にも何か思うことが残っていれば良いな、と思っています。
劇中で披露している歌は、彼女の曲ですし、彼女の中にあるものを引き出してやってもらったので、あの歌がこの映画全体を代弁してくれているようにも感じます。彼女をキャスティングして、本当に良かったですし、出会うべきして出会った存在です

永瀬さんは、オーディションで選ばせてもらいました。候補がたくさんいる中、劇中で披露している歌を歌い終わった後の、なんとも言えない表情が印象的で。難しいシーンもたくさんあったので、苦労はしただろうなと思っています。僕から具体的な指導はしなかったですが、助監督の女の子と話し合いながら作り上げていってくれて、大事なシーンをお任せしていたこともあり、今作で彼女自身にも何か思うことが残っていれば良いな、と思っています。
劇中で披露している歌は、彼女の曲ですし、彼女の中にあるものを引き出してやってもらったので、あの歌がこの映画全体を代弁してくれているようにも感じます。彼女をキャスティングして、本当に良かったですし、出会うべきして出会った存在です